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発明家体験談  京都府 M.K様より提供
靴が掴めるステッキ(素敵)、『スコット』の開発奮戦記   この商品の紹介ページを見る

幸運クルクル(来る来る)。 今まで手の届かなかったモノが掴めました。
これは嘘ではありませんが、縁起担ぎの意味も込めています。お金の事をお足と言います。足の入るモノを靴と言います。
靴の掴めるモノをスコット(私のアイデア商品)と言います。

これは立ったままで、手の届かなかった遠くにある靴を、掴む力の無かった人が、靴を履ける状態で、掴むことに成功したステッキ(素敵)です。
従って手の届かなかった、遠くにある幸運を掴むという意味で、寿来人(スコット)と銘々しましたが、本当は靴がスコンと履けたので、スコンとがスコットに成っただけです(あほくさー)。
本当のところはパーキンソンと言う病気の人が、立ったまま靴の脱ぎ履きをする要望に答えたものです。

その方は筋力が弱く、一旦座ってしまうと次に起立する時、介助者が必要なので、どうしても立ったまま、靴の脱ぎ履き、取り出し、片づけが出来るモノが必要でした。

その機能を備えた玄関踏み台(靴の脱ぎ履きが出来る段差緩和台)(特許公開2001−032481他機能付き置き式小階段)を作りました。

その玄関踏み台は大変便利だと喜んで頂きました。しかしある日電話が掛かって来ました。

『訪問先で困っているんやがー、携帯できる脱ぎ履き具はでけへんやろかー』と。

そこで長い4段式の折り畳み靴べらを作りましたが、靴を脱ぐ時、長い靴べらはジョイント部が座屈してしまい、圧縮力を靴べら先に伝えることは出来ませんでした。
ジョイント部のボルトナットを強く締め付けると折り畳みが固く困難になるし、弱いと簡単に座屈し、押す力を先に伝えられない。
結局良いモノは出来ず、次に考えたモノは杖先にリーチャーを付けたモノでした。

手元のレバーを握ると杖先が開いたり閉じたりするモノでした。
『よし、これなら持ち歩くことが機能である杖であるから、携帯することには違和感も不便さも無い。 これで全てOKだ!』
意気高く『先生ー出来ましたー』と患者さんの所に出かけました。

するとパーキンソンと言う病気は、レバーを握るという力が出なかったのです。
『そうかこれがパーキンソンと言う病気なのか。』とがっくり来ました。
そして『先生、私にはもう無理です。折角ですが、私には先生のご期待に添うモノは出来ません、諦めて下さい』と帰ってきました。
完敗でした。
がずっと気になっていました。
期待に応えられなかった自分のふがいなさと、何か方法は無い物か、との思いはいつも頭の片隅にあったのです。

ある日近くのパルスプラザ(京都府の見本市会場)で骨董市が開催されていました。
気分転換に出かけた会場で、囲炉裏に掛かっている自在鍵を目にしました。
テコの原理を応用した、高さ調整が自在に出来る先人の知恵でした。これを目にした時『これは使える、これで解決できるのではと』思いました。

早速家に飛んで帰り、スケッチを描きました。
『フムフム、これはいいぞー』興奮に、胸は高まりました。そして試作に取りかかりました。
計算通りの成果でした。テコの原理で握力は全くいりませんでした。
オプションでは手のない人でも、腕(アーム)さえあれば、靴が掴んで履けるモノもできました。
後は形状、その他機能、靴の大きさ寸法にどれだけ汎用性を持たせられか、等等、約一ヶ月掛かりましたが満足のいくモノが出来上がりました。

インターネットで先願を調査し、新規制進歩性のあることを確認し、特許出願(特許公開2001−286383靴脱着具兼杖並びに靴脱着具兼杖に用いる靴べら)を行い、商品化企業を探し回り、そして商品化出来ました。
あの完敗した日から二年の歳月が経っていました。
先生が喜んでくれたのは言うまでもありません、『不可能を可能にする、縁起の良い靴べらだ、親類に配る。』と言って 6本も買って頂きました。
ちなみに、公開されるまでの1年6ヶ月間、公開公報をずっとチェックしてきました。す
るとどうでしょう。表現の仕方は違うものの、同じモノが8日後に 出願されていました。
出願はやっぱり急ぐ必要があることを痛感しました。